山田法律事務所
事務所案内
法律相談事例集
随筆
お問い合わせ・感想等
トップページ
法律相談事例集

遺言・死因贈与 危急時遺言と死因贈与契約書
   
私の父は、現在、病院に入院中で今にも死亡の危急が迫っております。体力がかなり落ちており、もはや自分で字を書くのは困難です。意識はまだしっかりしており、一生懸命介護した私の妻を養子とした上で、唯一の財産である自宅の土地建物を、私と私の妻に2分の1ずつ残したいと言ってくれております。兄弟には複雑な事情があり相続でもめるおそれがあります。緊急に書面にして欲しいのですが・・・
   
 病気などで死亡の危急に迫った人が遺言をするには、危急時遺言として、証人3人以上(あなたや奥さんは推定相続人とその妻ですからだめです、未成年者もだめです)の立ち会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口頭で述べ、口授を受けたものがこれを筆記して、遺言者と他の証人に読み聞かせ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名捺印しなければなりません。しかも遺言の日から20日以内に家庭裁判所に確認の請求をしなければなりません。これがもっとも確実な遺言の方法ですが、現実には、そのようなことはとても他人には頼めないし時間的余裕もないという場合もあります。 死因贈与の契約書は、本人が自筆でなくとも、すべてワープロでつくったものに本人の意思で捺印すれば、有効です。しかし本人が死亡した後、本人の意思ではないとの争いになる可能性が高いのです。できれば弁護士や第三者に立ち会ってもらった方がよいですし、署名だけでも本人にしてもらった方がよいでしょう。養子縁組の届出書も同じく署名欄は本人に自署してもらった方がよいのですが、もしどうしても代理署名せざるを得ない場合は弁護士や第三者に立ち会ってもらい、本人の養子縁組の届出の意思を確認してもらった方がよいでしょう。
   
目次へ戻る


Copyright (C) 2000-2021 Hiroyoshi Yamada All Rights Reserved.