山田法律事務所
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借地借家 借地の更新と改築
   
  旧借地法時代に借地して一度20年の更新期が来て、まもなく二度目の更新期が来ます。一度目は更新料を払いました。今回も地主は更新料を要求して来ておりますが、地主が土地の売買価格と主張する金額の一割を要求して来ており、高すぎるように思います。しかし、これを払わないのなら50年の定期借地権か30年の建物譲渡特約付借地権に変更して欲しいと言っております。私は旧借地権のままにしておきたいし、建物は相当古くなっているので、今回は建物の改築もしたいのですが・・・
   
あなたの借地には、旧借地法の適用がありますから、何度更新しても新法は適用されません。新法の制度である50年の定期借地権や30年の建物譲渡特約付借地権に変更する義務はありません。更新料の支払い義務については、合意による更新ではなく、期間満了後も建物が存続し、地主に明け渡しを求める正当事由もないことにより法定更新された場合には、更新料の支払い義務はないという判例(東京地裁昭和59年6月7日判決、判時1133号94頁)もありますが、更新料支払いの合意が法定更新の場合にも及ぶという判例(東京高判昭和53年7月20日判決判時904号68頁但し借家の事例)もあり、微妙なところです。あなたの場合は、改築したいのですから、ある程度減額してもらった上、更新料兼改築承諾料として支払ったほうがよいと思います。その場合の一つのめやすとして、その地域の相続税路線価評価額にその地域の借地権割合(例えば7割)を乗じてその3%〜10%程度の範囲で交渉し、5%程度という考え方がよくとられています。但し現在は、地価は下落しつつあり相続税路線価評価額より低い場合もありますので、取引事例をよく調査して妥当な金額を交渉することになります。 地主がどうしても改築を認めてくれない場合は、改築許可の裁判を求めることになります。その場合には、当然合意による更新も無理でしょうから、法定更新を覚悟し、改築許可の裁判を求めます。その場合は付随処分として、改築承諾料の意味の一時金(建物の現況や改築内容によって異なりますが通常は更地価格の3〜5%程度)の支払いが条件とされることが多いのです。また賃料も増額改定を条件とされることも多いのです。
   
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