山田法律事務所
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借地借家 借家の明渡請求と定期借家契約
   
私は平成5年3月1日から、2年間の住宅の普通の賃貸借契約を結び、これまで3回更新し、平成13年3月1日に4回目の更新期をむかえようとしています。その6か月前に、家主から、自分の子供に使わせたいので、更新を拒絶するので明け渡して欲しい。さもなければ賃料を大幅に値上げし、2年間の定期借家契約にしたいと言われました。 この家は、私たち共稼ぎの夫婦の通勤にも便利ですし、子供の通学にも便利なので、少なくとも子供が学校を卒業する5年後までは引っ越したくないし、賃料も現状は近隣相場より高めな位ですので値上げは困るのですが・・・
   
あなたは平成12年3月1日より施行の定期建物賃貸借法よりはるか前に、普通の住宅賃貸借契約を結んでいるのですから、今回の更新に際しても、今回の改正法は適用されません。従って、家主は、明渡しを求める正当事由がないかぎり、更新を拒絶することはできません。あなたの使用の必要性からみれば、家主の子供に使わせたいという事情がよほど緊急且つ必要性が高いものでない限り、まず正当事由があるということにはならないと思います。従ってあなたは法定更新を主張することができます。 定期借家契約というのは、平成12年3月1日以降に新規に契約する場合に、確定期限をもって借家契約が終了し、更新されないことを明示した書面(公正証書や契約書)で契約し、かつ貸主は、その契約の前に、定期借家であって更新がなく、期間満了をもって契約が終了することを書面を交付して説明しなければ、定期借家契約としては無効となり従来型の借家契約となるという厳格な様式の契約です。 あなたが同意しない限り、そのような定期借家契約にすることはできないのは当然であり、仮に、あなたが間違って同意して、定期借家契約にした場合も、法律は、改正法施行以前になされた居住用の借家契約については、当分の間(かなり長く続きそうです)新定期借家法の規定は適用しないとしていますから、あなたについては定期借家契約は成立しないのです。 賃料大幅値上げ請求については、あなたの賃料が、近隣の相場より高いのであれば、値上げをお断りすればよいでしょう。強く要求された場合は、逆に、賃料相場は下落傾向にありますから、値下げ請求をし、民事調停を提起することもできます。調停委員会が公正妥当な賃料を双方に提示してくれます。
   
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