山田法律事務所
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商取引 売掛金請求と顧問契約
   
 私の会社では、売掛金は、当月分に納めた分について、当月末に請求書を送り、翌月末か相手先によっては翌々月末に支払ってもらっております。ところが最近は、何度請求書を送っても支払ってもらえない相手先が出て来て、未回収売掛金が数百万円たまってしまいました。あまり多くなると当社の経営も危うくなってしまうのですが・・・
   
継続的な取引については、法律的には、基本契約(発注、納入方法、検品方法や支払い方法などの基本的な事項の取り決め)と個別契約(具体的な品物についての代金額や納品条件など)があるのですが、日本では昔からの商慣習のせいか、この基本契約書や個別契約書を書面で取り交わすことをしないことが非常に多いのです。その結果、訴訟になると、金額についての合意がないとか、発注してないものが納品されたとかが争点となり、裁判が長引く傾向にあります。このようなことを避けるためには、弁護士と顧問契約(例えば後記のとおり)を結び、御社の実情に合った基本契約書や個別契約書を作成し書面で契約するシステムを作った方がよいと思います。その上で、数回催告しても支払ってもらえない場合は、すぐ顧問弁護士に依頼するシステムとした方がよいと思います。早期に対応すれば回収できたものが、ずるずる延ばしているうちに、回収不能となったり、商事債権の消滅時効(5年)を経過してしまう場合もあります。請求を繰り返していれば時効にかからないというものではありません。時効間際に催告(請求)をすれば、その後6ヶ月間は時効中断の効力がありますが、その6ヶ月の間に訴訟を提起しなければ時効となってしまいます。

 顧問契約書例                                               甲  株式会社 甲                              乙  弁護士 山田裕祥

  甲と乙とは次のとおり法律顧問契約を締結します。         第一条 乙は甲の法律顧問となり、日常的法律問題について法律知識を提供し、甲の事業活動を援助します。

第二条 甲は、乙に対し、日常的法律相談についての顧問料として、 月額金○万円を毎月末日に、乙の口座宛振込み支払います。

第三条 甲の個別法律事件の依頼(訴訟、仮差押、仮処分、民事調停、交渉事件、法律鑑定等)については、東京弁護士会弁護士報酬規程にに基づきその都度別途協議の上決定するものとします。

第四条 契約期間は平成○年○月から平成○年〇月までの○年間としますが、甲乙双方異議のない場合は更新されるものとします。

本契約を確認するため本書二通を作成し、甲乙各一通を所持します。   平成○年○月○日

   
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