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満期前のこの段階で手形を依頼返却(支払呈示の猶予)をすると、まだ支払呈示はしていないので、支払い場所の銀行の店頭で支払呈示(この場合は必ず振出日白地の手形については振出日を補充しておく)をしない限り、裏書人への遡及権がなくなります(しかも満期から1年で遡及権は消滅時効にかかります)。これを避けるためには手形の書替をしてもらうのですが、長期分割の場合には、より法的に強い権利にしておいた方がよいと思います。相手会社社長を連帯保証人として、債務弁済契約公正証書を作成し「この金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する旨の陳述をした」との条項を入れてもらうのです。これにより、不履行の場合は判決と同様に強制執行ができることになります。もう一つは裁判所に起訴前の和解の申立をし、1回だけ相手方会社社長に裁判所に来てもらい、その日1回で和解を成立させる方法があります。これも不履行の場合は判決と同様に強制執行ができることになります。即決和解と言いいますが、その名のとおり、申し立てたその日に和解成立とはいかず、和解日までに多少の日時を要するという難点はありますが、金銭債権以外でも強制執行が可能という利点があります。実情に合わせて使い分けることになります。 |